歯磨きによる疾病予防
投稿日:2020年4月30日
カテゴリ:スタッフブログ
こんにちは!歯科医師の高津です。
現在大きな問題となっている「新型コロナウイルス」。感染が広がり、普段からマスクや手洗いなどに気をつけている方が多いと思います。
予防としてマスクや手洗いの他にも「歯磨き」もしっかりと行いましょう。
インフルエンザウイルスについてお話します。インフルエンザを予防するための対策として、 (1)十分な栄養と休養をとる (2)人混みを避けるようにする (3)室内の乾燥に気をつける (4)マスクの着用 (5)手洗いうがいの励行 などがあります。しかし、「歯磨き・口腔ケア」が予防効果を高めることはあまり知られていないようです。研究では、ワクチン接種後、口腔ケアを行ったグループと行わなかったグループの比較をすると、口腔ケアを行ったグループではインフルエンザの発症リスクが10分の1であったと示されています。
では、なぜ口腔ケアがインフルエンザの予防に効果があるのでしょうか。それは口腔内の細菌が鍵を握っています。研究によると、歯垢に含まれる細菌が作り出す酵素が粘膜を覆っているタンパク質を破壊し、インフルエンザウイルスが細胞に侵入するのを手助けし、ウイルスの増殖や感染を拡大するということが分かりました。そこで口腔ケアにより歯垢を除去して、感染を助長させる細菌を減らせばインフルエンザの発症や感染拡大が抑えられるということになります。インフルエンザの予防対策として従来のワクチン接種、手洗いやうがいに加え、しっかりとした歯磨き指導を受け、口腔ケアを行うことにより予防効果を高めることが期待できるようです。
新型コロナウイルスは未知のものであり、これまでのウイルスと異なる点があると考えられます。しかし疾患のある方や高齢の方、乳幼児などリスクが高いと思われる方のために、考えられる予防策を講じそれぞれの命を守ることに繋がれば幸いです。
高津
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