歯が痛い。原因は?②
投稿日:2020年8月11日
カテゴリ:スタッフブログ
こんにちは。歯科医師の山口です。
前回の投稿で、歯が痛いときの原因が歯にあるものを紹介しました。
今回は、原因が歯以外にある場合をご紹介します。
①筋・筋膜性歯痛
顎を動かす筋肉に由来する痛みです。筋肉のある一点を強く押すと、歯の痛みを感じる場合があり、歯ぎしりや食いしばりなど慢性的に筋肉に負担が掛かり、筋肉が疲労した時に生じます。この筋肉の痛みを歯の痛みと感じる場合があります。
痛みの出る場所は力の負担の大きい奥歯に多く、痛みが長く続く場合もあります。筋・筋膜性歯痛の場合、筋肉のストレッチやマッサージを行い筋肉への血流を改善することで痛みが改善します。
②神経障害性歯痛
神経痛の症状が歯に出る場合があります。瞬間的な激痛を感じる場合と、じりじりとした痛みが続く場合があります。
帯状疱疹ウイルス(中年以降に多い)によるものではジリジリするような痛みが神経に沿って左右どちらかに生じるそうです。
また、顔面の神経のうち三叉神経痛、知覚や味覚を司る舌咽神経痛で、顔に痛みを感じることがあります。痛みの出るきっかけとして歯磨きや食事中など神経領域に刺激を与えたときに、激痛が走ることもあります。
③ 神経血管性歯痛
片頭痛や群発頭痛(30代前後の男性に多く見られます。目の奥の鋭い痛みや充血、鼻水が特徴ですが、かなりの確率で歯の痛みを伴うことがあります。)の症状の一つに歯痛を生じる場合があります。歯ではなく、頭痛の治療が必要となります。
④ 心臓性歯痛
心筋梗塞な、狭心症の心疾患に関連した歯痛で、歩くなどの運動により痛みが生じることが報告されています。早急に心臓の専門医に受診することが重要です。他にも左の肩や腕、首の痛みを訴えることもあるそうです。
⑤ 上顎洞性歯痛
上顎の奥の空間(上顎洞)に炎症が生じる疾患で上顎洞性歯痛といいます。風邪などに伴う、鼻の影響による副鼻腔炎の場合は、耳鼻科での治療が必要になります。鼻の奥に圧迫感があり上の歯の痛みと勘違いしやすいです。体を動かすと歯に響くような感覚が生じたり、痛みが数日続く事があります。
⑥ 心因性の歯痛
口の中や、全身に疾患はないのに長期的に歯の痛みを訴える場合、身体表現性障害や統合失調症、うつ病、イライラ感、不安感等の精神的不調などによって歯痛が出現することがあります。精神科の対応が必要となります。
⑦ 特発性歯痛
以上の分類に当てはまらない原因不明の歯痛です。時間の経過によって判明する場合もあります。
※参考:口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック
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