患者様の天然の歯を
「なるべく抜かない・削らない」治療
天然歯は一度手を加えると2度と元にはもどりません。
行徳スマイル歯科では、できるだけ手を加えない低侵襲治療をモットーに、
患者様の健康な歯を長期的に維持して頂く「保存治療」に
こだわって日々治療に取り組んでおります。
歯を健康な状態で維持するためには、天然歯に出来るだけ手を加えない事が重要ですが、
一旦虫歯にかかってしまうと、現在の歯科治療において全く削らずに治療を
行うということは困難を極めます。
しかし、そのような中でも、当院では出来るだけ削らずに天然の歯を残すことにこだわりを持ち、
以下の5つの処置を行っております。
マイクロスコープを使用する事で、治療を行う際の視野を拡大し、虫歯感染部のみを的確に削る事ができます。さらに、肉眼では見落としがちな細部の虫歯などの発見にも力を発揮し、早期の対応によって、削る範囲を抑える事が可能なります。
う蝕検知液は、歯に塗布する事で虫歯に感染した歯質を染め出します。健康な歯質と感染歯質の判別が目で確認が出来るため、削る量を最小限に抑えた精度の高い処置が可能となります。
初期の虫歯に対しては、次亜塩素酸ナトリウムが主成分のADゲルと言う薬品を使用して処置を行います。殺菌効果が高いため、感染部に塗布することで虫歯菌を不活性化し、歯を削る事なく治療が行えます。
虫歯菌に感染した患部は、歯質が柔らかくなるためドリルで最後まで処置を行おうとすると、健康な歯質まで削ってしまう事があります。健康な歯を少しでも残すために、最終的な処置にはエキスカと言う耳かきのような形状の器具を使用して、手動で丁寧に削りとります。
当院では、歯を削ったあとの修復にできるだけCR(コンポジットレジン)充填や
ダイレクトボンディング法を心がけています。
歯を削った部分に白い歯科用の樹脂を流し込んで、形態を整える方法のため、
歯を削る量・範囲を最小限に留めることができます。
さらに、型取りなどの工程もなく、その日のうちに治療を終えることができるのも特徴です。
▼CR(コンポジットレジン)を用いた極力削らない虫歯治療の症例をご紹介します。
20代の女性です。右上の奥歯がしみるということで来院されました。
診査の結果、右上の前から5番目の歯がむし歯になっていました。
歯の表面は虫歯はなく、欠けたり穴が開いたりはしていませんが、
隣り合う歯との間からできた虫歯が歯の中で広がったために、
上から見ると黒く見えています(写真:黄丸)。
患者さまは銀歯でなく白い材料で治療してほしいと希望されました。
よって今回は歯をなるべく削らず基本的に一回の治療で
済むコンポジットレジン(プラスチック樹脂)による治療を行うことにしました。
虫歯を削り終えた状態です。
虫歯を取り残さないことは当然ですが、さらに健康な歯を極力削らず、
自然な仕上がりになるよう工夫をしています。
歯の形・輪郭(右図の黄色の線)・隣の歯との接触面(右図の青色の点)をできる限り残すことで、
歯の形態や隣接歯とのバランスなど、元の歯の状態を再現しやすくなります。
歯に専用の器具で囲いを作った後(左図)、プラスチックの樹脂を流し込み、硬めて治療は完了しました(右図)。
白い材料で、さらに一日で治療が完了したため、患者さまは大変喜ばれておりました。
また、後日ご来院時には、しみる症状は無くなったとのことでした。
今後は再度虫歯にならないように、定期的に清掃に通っていただくことになりました。
年齢/性別 | 30代 女性 |
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治療期間 | 1日 |
治療回数 | 1回 |
治療費 | 保険診療3割負担で1,000円程度 |
リスク・注意点 | ・一般的に経年的に変色してしまう ・欠けたり、割れたりする事がある ・レジンアレルギーの心配がある ・術者の技術によって治療後の予後に差が生じる |
当院では患者様の大切な歯を出来るだけ抜かないように、日々治療に取り組んでおります。
歯を失った場合の機能を補う処置は、インプラントをはじめ、いくつかありますがどれも天然の歯には敵いません。
以下では、行徳スマイル歯科が努めるなるべく抜かないための8つの取り組みをご紹介致します。
重度な虫歯は神経にまで虫歯菌が進行し、やがて抜歯に至るため、歯の根っこ(根管)の処置を行わなければなりません。しかし、根管内部は非常に暗く、小さいため肉眼では適切な処置が難しく、精度の治療となってしまいます。そこで当院では、肉眼の約30倍に視野を拡大できるマイクロスコープを使用し、精密な根管治療を実施する事によって、再発率の軽減、抜歯の回避に努めております。
再発を抑えた根管治療を実施するためには、根管内部の無菌化の精度が鍵となります。当院では、ラバーダムと言うシートを使って、処置をする歯を細菌だらけのお口や唾液から隔離する事によって無菌化精度の向上を行っています。根管が再び感染した場合には、抜歯リスクが高くなるため、再発を抑える事が抜歯の回避にはとても重要となります。
通常、虫歯菌が神経にまで到達した場合には、神経を取り除く処置を行う事になりますが、神経を失った歯は脆くなり、将来的な抜歯リスクを高めてしまいます。そこで当院では、殺菌力の高い歯科用セメント「MTA」を使用して、虫歯菌を不活性化する事で神経を保存し、将来的な抜歯リスクの軽減に努めております。
重度な虫歯には、歯の根っこの治療(根管治療)を行いますが、根の先に膿が溜まる「根尖病変」や、歯根にひびや割れが生じる「歯根破折」は、通常の根管治療では改善が難しく、一般的には抜歯と診断される事が多い症状となります。そのため当院では、膿が溜まった歯根の部分を切除する「歯根端切除」や、破折した歯を一度抜歯して、接着材で修復した後に元に戻す「再植術」を実施して、抜歯回避に努めております。
抜歯原因1番の歯周病に対しては、マイクロスコープを使用した精密治療を実施します。マイクロスコープを使用し、視野を拡大することで歯周ポケットの奥に付着した歯石も目でしっかり確認しながらの除去が可能となり、症状の緩和、改善によって抜歯のリスク軽減に努めています。
歯周病での抜歯リスクを軽減させる為に、重度の歯周病症状には、歯周外科治療での症状改善や失った骨・周辺組織の修復に歯周再生療法など幅広い治療で対応する事でなるべく歯を抜かない処置に心がけています。
【歯周再生療法のリスクや注意点】
・失ったすべての骨が再生されるわけではありません。
・喫煙者は適切な効果が得られません。
・糖尿や骨粗鬆症の方は適用できません。など
度重なる虫歯治療によって、歯茎より上に十分な歯がない場合には、支柱を立てて被せ物を装着しても長期安定は望めず、抜歯後にインプラントや入れ歯などで咬み合わせの修復をする事が一般的です。しかし当院では、歯茎の下にある歯質をエクストルージョンと言う方法で引っ張り上げる事で、被せ物を安定させ、抜歯を行わずに咬み合わせの修復を実施します。
歯を失った際の修復治療の一つとして、親知らずの移植(自家歯牙移植)にも対応しています。口腔内に健康な親知らずが残存している場合は、インプラントや入れ歯治療の選択肢に加え、親知らずの移植による咬み合わせの回復を検討致します。親知らずはご自身の歯ですので親和性が高く、歯根膜などの大事な周辺組織も存在するため、元の歯と変わらない感覚で生活していただけます。
根本治療と予防の推奨
その場限りの対処療法ではなく、根本原因に対して治療を行い、改善、
解消を行う事で将来的な抜歯リスクの軽減に努めています。
また、歯を抜かないためには、セルフケアと定期的な検診をしっかり行い、
健康な状態を維持する予防の心がけがもっとも重要です。
当院では、定期検診の受診を推奨しております。
60代の男性です。右上の前歯が折れたということで来院されました。
診査の結果、右上の前から3番目の歯の被せ物が虫歯のせいで取れてしまい、根っこだけが残っている状態でした。
虫歯も根の中まで広がっており、このままの状態では残すことが難しいと説明しましたが、
患者様は歯をできるだけ抜かずに残してほしいと希望されました。
そこで、歯にゴムの矯正装置をつけて引っ張り、歯ぐきにうもれている健康な歯を
出すエクストルージョンを実施し、被せ物を作ることにしました。
神経を取ったり、虫歯で健康な歯を失った場合は、土台を立てて補強し、
被せ物をすることで、歯としての噛む機能や見た目を取り戻します。
しかし、健康な歯を大きく失い歯ぐきの中にしか健康な歯が残っていない場合、
そのまま土台を立てたとしても、お口の中でいろいろな方向から力がかかるため、
耐えきれずにすぐ取れてしまいます。
【歯茎より上に歯質がない場合】
それはなぜなのでしょうか。
被せ物が取れにくく長持ちさせるには、
歯ぐきの上に健康な歯が出ていないといけません
(歯ぐきの上に出ている所をフェルールといいます)。
今回の患者様の場合、健康な歯が全く出ていません。
被せ物が健康な歯をしっかりとつかむことで、
被せ物が取れにくく長持ちします(フェルール効果といいます)。
健康な歯が最低でも1.5mmは必要とされています。
▼歯茎より上に歯質がない場合
被せ物が土台しかつかんでいないので取れやすい。
▼歯茎より上に歯質がある場合
被せ物が歯をしっかりとつかんでいる(黄色矢印)と取れにくい。
【エクストルージョン(矯正による歯の廷出)の手順】
@当該歯に引っ張る装置を付けます。
A装置で上に引っ張り、歯を歯ぐきの上に出します。
B土台を立て、歯型を取ります。
C健康な歯をつかむ被せ物を装着して完了。
▼クリックすると画像が拡大します
完成したセラミックの被せ物を装着して治療完了です。とても自然で綺麗な仕上がりです。
歯を抜かずに残すことができ、またセラミックの被せ物がとても自然で綺麗だったので、患者様にとても喜んでいただけました。
今後は他の歯も合わせて長く健康に維持できるように、定期的な清掃・メンテナンスに通っていただくことになりました。
年齢・性別 | 60歳 男性 |
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治療期間 | 3.5ヵ月 |
治療回数 | 7回 |
メリット | ・歯を抜かずに残せる。 ・歯が長持ちしやすくなる。 ・歯ぐきの状態が良くなり、歯磨き、メインテナンスがしやすくなる。 |
リスク・デメリット | ・歯の状態によっては、治療期間が予定よりも長くなることがあったり、中断することもある。 ・外科処置が必要となる場合がある。 ・治療途中に歯が割れたり保存が不可能になった場合は抜歯になることもある。 |
行徳スマイル歯科では、このようにして患者様の健康な歯をなるべく「削らない」「抜かない」低侵襲治療を心掛け、
元に戻らない天然の歯を生涯に渡って維持して頂けるよう適切な処置を実施しています。
市川市行徳で天然歯の保存治療をご希望の方は、ぜひ当院までお気軽にご相談下さい。